夜勤を始める前。

一番心配していたのは仕事だった。


ラインについていけるだろうか。

怒られないだろうか。

体力は持つだろうか。


でも実際に働いてみると、

一番きつかったのは仕事じゃなかった。


眠ることだった。


朝8時。

工場を出る。


太陽がまぶしい。

小学生が通学している。

コンビニには出勤前の会社員がいる。


世間はこれから一日が始まる。


俺は寝る。


そこにまず違和感があった。


寮へ戻る。

シャワーを浴びる。

カーテンを閉める。

スマホを見る。


眠い。

確かに眠い。


でも眠れない。


隣の部屋のドアが閉まる。

掃除機の音がする。

宅配便が来る。

外で子供の声がする。


全部気になる。


気づけば昼の12時。


出勤は夕方5時。


あと5時間しかない。


焦る。


すると余計に眠れない。


夜勤をやったことがある人なら分かると思う。


「寝なきゃ」

が一番眠れない。


眠れなかった頃の自分

最初の数か月。


睡眠時間は毎日バラバラだった。


3時間。

5時間。

7時間。


体調も安定しない。


休みの日も昼夜逆転する。


頭がボーっとする。


休日なのに疲れが抜けない。


仕事中にミスしそうになる。


正直、

夜勤の仕事よりこっちの方が怖かった。


やって良かったこと

ある日、

夜勤歴が長い先輩に聞いた。


「どうやって寝てるんですか?」


返ってきた答えはシンプルだった。


「寝る準備を仕事だと思え」


その日から少し変えた。


帰宅したらスマホを見ない。


部屋を暗くする。


アイマスクを使う。


耳栓を使う。


カフェインは帰宅後に飲まない。


すると少しずつ眠れるようになった。


劇的ではない。


でも確実に変わった。


一番効果があったもの

意外だった。


高いサプリじゃない。


高級マットレスでもない。


耳栓だった。


数百円。


それだけ。


寮生活は思っている以上に音がある。


ドア。

足音。

洗濯機。

話し声。


全部消えるわけじゃない。


でも耳栓をすると世界が少し遠くなる。


それだけでかなり違った。


今でも完璧ではない

夜勤歴が長くなった今でも、

眠れない日はある。


体内時計は簡単には騙せない。


でも昔ほど焦らなくなった。


眠れなくてもいい。


横になるだけでもいい。


そう思えるようになった。


それだけでも随分楽になった。


結論

夜勤で一番きついのは仕事じゃない。


眠ることだ。


そして眠れない自分を責めることだ。


もし今、

カーテンを閉めた部屋で天井を見ているなら。


あなただけじゃない。


工場のどこかで。

寮のどこかで。

今日も同じように眠れずにいる人がいる。


俺もその一人だった。



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