※作業内容、タクト、生産台数、習熟までの期間は会社・工場・車種・工程によって異なります。強い痛みやしびれがある場合は、無理を続けず職場の責任者や医療機関へ相談してください。

トリム工程がきついのは重労働だからではなく、不自然な姿勢の反復だからです。
- 姿勢:車内へ入り込み、上を向いて腕を上げたまま工具を使う
- タクト:約1分で次の車が来る
- 回数:同じ動作を一日400〜500回
- 慣れるまでの目安は経験者2週間前後、未経験1〜2カ月
期間工の仕事で、きつい工程として名前が出やすいのが組立です。その中でも、車内へ部品を取り付けるトリム工程は「地獄」と言われることがあります。トリム工程とは、塗装が終わった車体に、内装部品や配線などを取り付ける組立工程のことです。
会社や生産状況によりますが、1日に400〜500台ほど流れるラインもあります。1回なら何でもない動作でも、400回やれば話は変わります。自分も組立を経験しましたが、特につらかったのは車内へ身体を入れた状態で行う作業でした。
まず全体のきつさを知りたい人へ 期間工は本当にきつい?経験して分かった6つのつらさこの記事でわかること
- 組立・トリム工程で何をするのか
- きつい最大の理由である「姿勢」
- 約1分のタクトと、一日400〜500回の反復
- ラインについていけるまでの目安
- 「慣れ」で片付けてはいけない痛み
組立・トリム工程では何をする?

組立では、塗装された車体へ内装部品や電装品などを取り付けていきます。作業は細かく分担されており、一人が担当するのは基本的に数個の作業です。自分が経験したものでは、ドアミラーの取り付けもありました。
決められた位置へ部品を合わせ、インパクトドライバーで締め付ける。文字にすると簡単で、実際、作業そのものを覚えるだけならそれほど難しくありません。問題は、作業を終えた直後に次の車が来ることでした。
トリム工程がきつい最大の理由は「姿勢」
自分が一番きつかったのは、車体へ入り込んで作業するときでした。しゃがむ、身体を伸ばす、車内へ入る、また外へ出る。これだけでも腰にきます。
さらに作業によっては、車内へ入り込んだ状態で上を見上げ、両腕を上げてインパクトドライバーで部品を取り付けます。腰は曲がっている。首は上を向く。腕は上げっぱなし。その状態で工具を使います。
トリム工程の二重苦。「車内へ入り込む不自然な姿勢」と、「上を向いて腕を上げる作業」が同時に来ます。1台ならできる。10台でもまだ平気。それを何百台と繰り返すと、腰、肩、首、腕へ少しずつ疲労が溜まっていきます。
組立ラインは約1分で次の車が来る

組立ラインでは、タクトが決められています。タクトとは、次の車が来るまでの時間。工場や車種によって違いますが、1分前後で次の車が来るラインもあります。60秒あれば余裕がありそうに見えますが、実際にやると短いです。
- 部品を取る
- 車体へ移動して姿勢を作る
- 部品を取り付けて締め付ける
- 取り付け状態を確認する
- 元の位置へ戻る
部品が一発で入らない。インパクトを持ち直す。ボルトを拾い損ねる。数秒遅れるだけで、次の車が近づいてきます。新人の頃は「まだ終わっていないのに次が来る」という焦りがかなりあります。
しかもラインは、自分が疲れたからといって遅くなってくれません。機械はそのへん実に無慈悲です。
同じ動作を一日400〜500回繰り返す
仮に1台につき1回作業するとして、生産台数が400〜500台なら、その動作も400〜500回になります。しゃがむ。車内へ入る。腕を上げる。インパクトを使う。車外へ出る。そして、また次です。
朝は普通にできた姿勢が、午後になるとつらくなる。腰が張る。肩が重い。握力が落ちる。足もだるくなります。
組立は、小さい負担を大量に積み重ねる仕事です。必要なのは単純な腕力というより、同じ動作を一日崩さず続ける体力と身体の使い方だと思います。
ラインについていけるまでどれくらいかかる?

最初からタクト内で作業できなくても、それほど珍しくありません。経験者でも、新しい工場、車種、工程へ入れば勝手が違います。部品の位置、工具、作業順、身体の入り方を覚え直します。
経験者の目安
2週間前後未経験者の目安
1〜2カ月最初は一つひとつ考えながら動きます。慣れてくると、部品を取る位置やインパクトを当てる角度を身体が覚えます。無駄な一歩や持ち替えが減り、ここまで来ると急に楽になります。
速さより「無駄を減らす」。組立は、ものすごく速く動き続ける仕事というより、無駄な動きを削ってタクト内へ収める仕事に近いです。
身体の痛みまで「慣れ」で片付けない
最初の筋肉痛や疲労は、作業に慣れると軽くなることがあります。ただし、次の状態は話が別です。
我慢せずに伝えるサイン
- 腰に鋭い痛みが出る
- 腕を上げると肩が痛む
- 手首や指がしびれる
- 首を動かすと痛む
自分も、しゃがむ、伸びる、車内へ入る動きを繰り返して腰を痛めたことがあります。「そのうち慣れる」と続けた結果、悪化しました。最終的には班長へ伝え、作業内容を調整してもらいました。
我慢する前に伝える。組立は慣れるまできつい。ただし、痛みを我慢し続けることまで仕事ではありません。小さい違和感のうちに班長へ伝えてください。
よくある質問
期間工の組立はなぜきついのですか?
不自然な姿勢(車内へ入り込み、上を向いて腕を上げる)、約1分のタクト、一日400〜500回の反復が重なるからです。重量物より、姿勢の反復が大きな負担になります。
ラインについていけないときは向いていませんか?
すぐ決める必要はありません。経験者でも2週間前後、未経験なら1〜2カ月かかるのが目安です。無駄な動きが減ると急に楽になります。
腰や肩が痛いときは?
鋭い痛みやしびれは「慣れ」で片付けず、小さいうちに班長へ伝えてください。作業内容を調整してもらえることがあります。強い痛みは医療機関へ相談してください。
トリム工程とは何ですか?
塗装が終わった車体に、内装部品や配線などを取り付ける組立工程です。車内へ身体を入れて作業することが多いのが特徴です。
まとめ|組立のきつさは「姿勢×タクト×回数」
この記事のポイント
- きつさの正体は姿勢×タクト×回数
- 車内で上を向いて腕を上げる二重苦
- 約1分で次の車、一日400〜500回
- 慣れるまで経験者2週間・未経験1〜2カ月
- 痛みは慣れで片付けず相談
最初についていけないからといって、すぐ向いていないと決める必要はありません。慣れるまではきつい。慣れるとかなり変わります。
ただし、身体を壊してまで慣れる必要はない。この線引きだけは、組立へ配属されたときに覚えておいてください。