※作業内容、タクト、生産台数、習熟までの期間は会社・工場・車種・工程によって異なります。強い痛みやしびれがある場合は、無理を続けず職場の責任者や医療機関へ相談してください。

期間工7社経験|組立・トリム工程
組立が地獄と言われる理由は、
姿勢×タクト×回数。

約1分ごとに来る車へ、不自然な姿勢で部品を取り付ける。それを一日数百回。単純な重労働とは違う、トリム工程のきつさを実体験から解説します。

POSTURE車内へ入り込み
上を向いて腕を上げる
TACT約1分で
次の車が来る
REPEAT同じ動作を
一日400〜500回

期間工の仕事で、きつい工程として名前が出やすいのが組立だ。

その中でも、車内へ部品を取り付けるトリム工程は「地獄」と言われることがある。

理由は単純な重労働ではない。不自然な姿勢のまま、決められた時間で同じ作業を何百回も繰り返す。ここがきつい。

会社や生産状況によるが、1日に400〜500台ほど流れるラインもある。1回なら何でもない動作でも、400回やれば話は変わる。

自分も組立を経験したが、特につらかったのは車内へ身体を入れた状態で行う作業だった。

この記事では、組立・トリム工程の仕事内容、きつい理由、ラインへついていけるまでの目安を掘り下げる。

組立・トリム工程では何をする?

組立では、塗装された車体へ内装部品や電装品などを取り付けていく。

作業は細かく分担されており、一人が担当するのは基本的に数個の作業だ。

自分が経験したものでは、ドアミラーの取り付けもあった。

部品を取る
車体へ向かう
取り付ける
元へ戻る
トリム工程で部品を取り、車体へ乗り込み、取り付けて次の部品へ戻る往復作業
部品を取る→車体へ向かう→乗り込んで取り付ける→次の部品へ戻る。この往復をラインの流れに合わせて繰り返す。

決められた位置へ部品を合わせ、インパクトドライバーで締め付ける。文字にすると簡単だ。

実際、作業そのものを覚えるだけなら、それほど難しくない。

問題は、作業を終えた直後に次の車が来ることだった。

トリム工程がきつい最大の理由は「姿勢」

自分が一番きつかったのは、車体へ入り込んで作業するときだった。

しゃがむ
身体を伸ばす
車内へ入る
また外へ出る

これだけでも腰にくる。

さらに作業によっては、車内へ入り込んだ状態で上を見上げ、両腕を上げてインパクトドライバーで部品を取り付ける。

腰は曲がっている。首は上を向く。腕は上げっぱなし。その状態で工具を使う。

トリム工程の二重苦

「車内へ入り込む不自然な姿勢」と、「上を向いて腕を上げる作業」が同時に来る。

1台ならできる。10台でもまだ平気だ。

それを何百台と繰り返すと、腰、肩、首、腕へ少しずつ疲労が溜まっていく。

トリム工程がきついと言われるのは、重量物だけではない。不自然な姿勢の反復が大きい。

組立ラインは約1分で次の車が来る

組立ラインでは、タクトが決められている。

タクトとは、次の車が来るまでの時間だ。工場や車種によって違うが、1分前後で次の車が来るラインもある。

60秒あれば余裕がありそうに見える。実際にやると短い。

  • 部品を取る
  • 車体へ移動して姿勢を作る
  • 部品を取り付けて締め付ける
  • 取り付け状態を確認する
  • 元の位置へ戻る

部品が一発で入らない。インパクトを持ち直す。ボルトを拾い損ねる。

数秒遅れるだけで、次の車が近づいてくる。

新人の頃は「まだ終わっていないのに次が来る」という焦りがかなりある。

しかもラインは、自分が疲れたからといって遅くなってくれない。機械はそのへん実に無慈悲だ。

同じ動作を一日400〜500回繰り返す

仮に1台につき1回作業するとして、生産台数が400〜500台なら、その動作も400〜500回になる。

しゃがむ。車内へ入る。腕を上げる。インパクトを使う。車外へ出る。そして、また次だ。

1回ごとの負担は小さい。

しかし組立は、小さい負担を大量に積み重ねる仕事だ。

朝は普通にできた姿勢が、午後になるとつらくなる。腰が張る。肩が重い。握力が落ちる。足もだるくなる。

組立で必要なのは、単純な腕力というより、同じ動作を一日崩さず続ける体力と身体の使い方だと思う。

ラインについていけるまでどれくらいかかる?

最初からタクト内で作業できなくても、それほど珍しくない。

経験者でも、新しい工場、車種、工程へ入れば勝手が違う。部品の位置、工具、作業順、身体の入り方を覚え直す。

経験者の目安2週間前後
未経験者の目安1〜2カ月

最初は一つひとつ考えながら動く。

慣れてくると、部品を取る位置やインパクトを当てる角度を身体が覚える。無駄な一歩や持ち替えが減り、ここまで来ると急に楽になる。

速さより「無駄を減らす」

組立は、ものすごく速く動き続ける仕事というより、無駄な動きを削ってタクト内へ収める仕事に近い。

身体の痛みまで「慣れ」で片付けない

最初の筋肉痛や疲労は、作業に慣れると軽くなることがある。

ただし、次の状態は話が別だ。

  • 腰に鋭い痛みが出る
  • 腕を上げると肩が痛む
  • 手首や指がしびれる
  • 首を動かすと痛む

自分も、しゃがむ、伸びる、車内へ入る動きを繰り返して腰を痛めたことがある。

「そのうち慣れる」と続けた結果、悪化した。最終的には班長へ伝え、作業内容を調整してもらった。

我慢する前に伝える 組立は慣れるまできつい。ただし、痛みを我慢し続けることまで仕事ではない。小さい違和感のうちに班長へ伝えたほうがいい。

手首や指の痛みについては、実際に箸が使えなくなるまで悪化した経験を別の記事でまとめている。

まとめ|組立のきつさは「姿勢×タクト×回数」

トリム工程がきつい理由は、かなりシンプルだ。

地獄と言われる3つの理由 姿勢 × タクト × 回数

車内へ身体を入れる。さらに上を向く。腕を上げてインパクトドライバーを使う。

そして約1分後には次の車が来る。それを一日に数百回繰り返す。

これが「地獄のトリム工程」と言われる理由だと思う。

ただ、最初についていけないからといって、すぐ向いていないと決める必要はない。

経験者でも2週間ほど。未経験なら1〜2カ月。身体が作業を覚えるまでには時間がかかる。

慣れるまではきつい。慣れるとかなり変わる。

ただし、身体を壊してまで慣れる必要はない。この線引きだけは、組立へ配属されたときに覚えておいたほうがいい。