
期間工の健康診断に全社共通の合格点や一律の不採用基準は公表されていません。
- 法律で決まっているのは雇入時の基本11項目
- 会社独自の動作確認が加わる場合がある
- 異常値が出ても再検査や医師判断になることがある
- 持病・けが・服薬は隠さず伝える
期間工の面接に通ったあと、「健康診断で落ちたらどうしよう」と不安になる人は多いです。法律で決まっているのは、雇い入れ時に確認する基本的な検査項目。実際の就業判断は、検査結果だけでなく、医師の所見、担当する仕事、会社の安全基準を合わせて行われます。
そのため、インターネット上の「この数値なら必ず落ちる」をそのまま信じるより、何を調べる検査なのか、異常が出たらどう動くのかを知っておくほうが役に立ちます。
この記事でわかること
- 健康診断に一律の「合格点」がない理由
- 法律で決まっている11項目
- 工場ごとに加わる動作確認
- 前日から当日の準備と、服薬の注意
- 再検査になったときに確認すること
健康診断に一律の「合格点」はない
検索すると、高血圧、肥満、腰痛、肝機能などが「落ちる原因」として並んでいます。しかし、雇入時健康診断の法令には、期間工を採用・不採用にする数値基準は書かれていません。雇入時健康診断は、適正な配置と入社後の健康管理のために行うものです。
「基準値を外れた=不採用」ではありません。検査値の意味は、持病、服薬、仕事内容、再検査の結果によって変わります。自分で合否を決めつけず、会社と医師の案内を確認してください。
一方で、立ち仕事や反復作業を安全に続けられないと判断されれば、配属の変更、再検査、就業見合わせなどにつながる可能性はあります。「何があっても受かる」という意味ではありません。分からない基準を推測するより、現在の症状と治療状況を正確に伝えることが大切です。
法律で決まっている基本の11項目

労働安全衛生規則第43条では、常時使用する労働者を雇い入れる際、次の健康診断を行うよう定めています。
| 検査 | 主に確認する内容 |
|---|---|
| 既往歴・業務歴 | これまでの病気、けが、仕事内容 |
| 自覚症状・他覚症状 | 問診と医師の診察 |
| 身体測定 | 身長、体重、腹囲、視力、聴力 |
| 胸部X線 | 肺などの状態 |
| 血圧 | 収縮期・拡張期血圧 |
| 貧血 | 赤血球数、血色素量 |
| 肝機能 | AST、ALT、γ-GT |
| 血中脂質 | LDL、HDL、中性脂肪 |
| 血糖 | 血糖値など |
| 尿 | 尿糖、尿たんぱく |
| 心電図 | 心臓のリズムなど |
雇入時健康診断は、年齢を理由に医師判断で項目を省略する定期健康診断とは扱いが違います。ただし、雇い入れ前3カ月以内に受けた健康診断の結果を証明する書面を提出した場合、相当する項目を省略できる規定があります。実際に提出で代えられるかは、応募先の案内を確認してください。
工場ごとに動作確認が加わることがある

期間工では、法定11項目に加え、仕事を安全にできるかを見る確認が行われる場合があります。
| 確認 | 内容 |
|---|---|
| 手指と関節 | 指の曲げ伸ばし、手首・ひじ・肩の可動域など |
| 腰と下半身 | しゃがむ、立つ、歩くなどの基本動作 |
| バランス | 片足立ちなど、姿勢を保てるかの確認 |
| 色の見分け | 担当予定の作業で必要な場合に確認されることがある |
追加確認の内容は会社や工場で違います。握力測定がある、ないといった体験談だけで、自分の応募先も同じだと決めないほうがいいです。
検査を通過するために無理な動きを見せると、入社後に困ります。痛みや動かしにくさがあれば、その場で伝えてください。
数値が高くても、すぐ不採用とは限らない
血圧や血液検査は、その日の睡眠、食事、飲酒、緊張でも動くことがあります。異常値が出た場合の対応は、一回測り直す、後日に再検査する、主治医の診断書を求める、担当できる作業を検討するなど、会社によって変わります。
一時的な変動の可能性
再測定や再検査で確認される場合がある。
治療中・症状がある
医師の所見や仕事への影響を確認される場合がある。
大事なのは、ネット上の合格ラインに合わせようとすることではありません。検査結果を正しく出し、必要なら治療や再検査を受けることです。
腰痛・持病・服薬は隠さず伝える
腰痛や手首の痛みを隠して入社できても、組立や物流で悪化すれば勤務を続けにくくなります。服薬を申告しないと、検査値の理由や仕事中に必要な配慮が伝わりません。問診票には、治療中の病気、過去のけが、使用している薬を事実どおりに書いてください。
薬を自己判断で止めない。健診当日の服薬は薬の種類で対応が変わります。応募先の案内と主治医の指示を優先してください。特に糖尿病治療中の人は、絶食と薬の組み合わせで低血糖になる危険があるため事前確認が必要です。
症状がある人は、応募前に「現在の仕事内容に制限はあるか」「診断書が必要か」を医師と応募先へ確認しておくと、赴任後の行き違いを減らせます。
前日から当日にやる5つの準備

- 応募先から届いた案内を最優先する
食事を止める時間、飲水、集合時間、持ち物は健診ごとに違う。
- 前日の飲酒と激しい運動を避ける
肝機能、血中脂質、尿検査などへ影響する可能性がある。
- 睡眠時間を確保する
無理な徹夜や長距離移動を避け、普段に近い状態で受ける。
- 服薬は事前に相談する
自己判断で中止せず、主治医と健診先の指示を確認する。
- 問診に必要な情報をまとめる
病名、けがをした時期、薬の名前、通院先をメモしておく。
食事制限の指示がないのに勝手に絶食する、薬を止めるといった行動は避けてください。
再検査になったら確認する3項目
再検査の連絡を受けたら、合否を推測して放置しないでください。
再検査で確認すること
- 再検査の期限と指定医療機関(いつまでに、どこで受けるか)
- 必要な書類と費用(紹介状、健診結果、診断書、自己負担の有無)
- 入社日と寮の扱い(結果待ちの間に、赴任日や入寮日が変わるか)
すでに赴任している場合は、交通費や宿泊費の扱いも担当者へ聞きます。口頭だけでなく、案内メールや書類を残しておいてください。
応募前に確認すること
応募前のチェック
- 健康診断は選考前か、赴任後か
- 前日の食事・飲水・服薬の指示
- 再検査になった場合の入社日
- 持病やけがで必要な診断書
健康診断は、落とす人を探すだけの試験ではありません。安全に働けるかを確認し、必要なら仕事や健康管理を調整するためのものです。不安な症状があるなら、隠すより先に確認する。入社後に無理を続けられなくなるより、自分に合う仕事や会社を選び直せるほうがいいです。
よくある質問
期間工の健康診断で落ちることはありますか?
全社共通の合格点は公表されていませんが、安全に仕事を続けられないと判断されれば、配属変更、再検査、就業見合わせなどにつながる可能性はあります。検査値だけでなく医師の所見や仕事内容で判断されます。
血圧が高いと不採用ですか?
すぐ不採用とは限りません。血圧は睡眠や緊張でも動くため、測り直しや再検査、主治医の診断書で確認されることがあります。
健康診断の項目は何ですか?
法律で決まっているのは、既往歴・業務歴、自覚・他覚症状、身体測定、胸部X線、血圧、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、尿、心電図の11項目です。工場ごとに動作確認が加わる場合があります。
持病や服薬は申告したほうがいいですか?
申告してください。隠して入社しても、仕事で悪化すれば勤務を続けにくくなります。薬は自己判断で止めず、主治医と健診先の指示に従ってください。
まとめ|基準を推測するより、正確に伝えて確認する
この記事のポイント
- 全社共通の合格点は公表されていない
- 法律上の基本は11項目、工場ごとに動作確認が加わることも
- 異常値でも再検査や医師判断になることがある
- 持病・けが・服薬は隠さず伝える
- 前日は案内を最優先し、薬を自己判断で止めない
※健康状態や就業可否は、医師と応募先が個別に判断します。この記事は診断や合否を保証するものではありません。