実体験フードデリバリー初日期間工7社経験
フードデリバリー初日の売上は数百円だったが会社の外で初めて発生した売上だったことを示す図
あの数百円は、金額以上に大きかった。
この話の結論

初日の売上は数百円。それでも0円とは違いました。

  • アプリを起動するまでが一番怖かった
  • 一度届けると、分からなかったことの多くはただの手順になった
  • フードデリバリーは簡単に稼げる仕事ではない
  • 残ったのは「自分でも会社の外でお金を作れる」という感覚

フードデリバリーを始めた初日、売上は数百円でした。今振り返れば大した金額ではない。食事をすればすぐになくなるし、期間工の残業を少ししたほうが効率はよかったと思います。それでも、アプリの画面に初めて報酬が表示された瞬間は、今でも覚えています。

シンヤ

会社から振り込まれた給料ではない。自分でアプリを起動し、注文を受け、店へ向かい、知らない人のところまで商品を運んだ。その結果として、初めて自分一人の動きに数百円の値段がついた。金額は小さかったけど、自分にとっては妙に重かったんです。

休日に配達アプリを起動した

フードデリバリーを始めたのは、期間工として働いていた頃でした。平日は工場で決められた工程を繰り返し、毎月決まった日に給料が振り込まれる。生活は安定していたけど、このまま工場だけで働き続けていいのかという不安がありました。特別な資格も、正社員として積み上げてきた経歴もない。だからといって、いきなり会社を辞める勇気もない。最初に考えたのが、休日だけできるフードデリバリーでした。

フードデリバリー初日に配達アプリをオンラインにするか迷う男性
まだ何も起きていないのに、失敗だけはいくらでも想像できた。

登録を済ませ、あとはアプリを起動するだけ。でも、その「起動するだけ」が意外とできませんでした。店で何と言えばいいのか。マンションの入口が分からなかったらどうするのか。商品をこぼしたら、配達先を間違えたらどうなるのか。

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初日の最初の1件

フードデリバリー初日にアプリを起動してから最初の報酬が表示されるまでの流れ
始める前は、失敗する理由がいくらでも見つかる。

オンラインにしても注文が鳴らなかった

しばらく迷ったあと、ようやくアプリをオンラインにしました。でも何も起きない。数分たっても鳴らない。飲食店が多そうな方向へ移動しても鳴らない。今度は、登録方法を間違えたのではないか、設定に問題があるのではないか、という別の不安が出てきます。始める前は注文が鳴るのが怖かったのに、鳴らない時間が続くと、今度は鳴らないことが怖くなる。人間は面倒です。

突然、スマホから音が鳴った

しばらくすると、突然スマホから通知音が鳴りました。画面には店の名前と、受け取り場所までの距離。待っていたはずなのに、実際に鳴ると一気に緊張しました。受けるか、拒否するか。考えている間にも画面の時間は減っていく。自分は注文を受けました。その瞬間、地図に店までのルートが表示され、ただ待っていた時間が終わって、急に目的地ができた。

店で商品を受け取るだけでも緊張した

小さな飲食店で初めての商品を受け取るフードデリバリー配達員
こちらが勝手に緊張していただけで、店側にとってはいつもの受け渡しだった。

一般の客に混じって店内へ入り、忙しそうな店員に少し気が引けながら、アプリの画面を見せて注文番号を伝えました。店員は慣れた様子で商品を渡してくれた。商品をバッグへ入れ、倒れないように位置を調整する。店を出たあとも何度かバッグを確認しました。最初の1件では、商品を預かっただけで、少し後戻りできない感じがした。ここからは、自分が届けなければ終わらない。

知らないマンションへ向かった

配達先は行ったことのないマンションでした。アプリ上では到着しているように見えるのに、建物の入口が分からない。同じような建物が並んでいて、裏側へ回るのか、細い道へ入るのか。商品が冷めていないか、遅いと思われていないか。初日は数分の迷いでもかなり長く感じました。ようやく入口を見つけ、部屋番号を確認して呼び出しボタンを押した。

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「ありがとうございます」で最初の配達が終わった

注文者へ商品を渡すと「ありがとうございます」と言われ、配達完了の操作をした。それだけで最初の配達は終わりました。商品をこぼすことも、違う家へ届けることも、怒られることもなかった。始める前に想像していたほど、恐ろしいことは起きませんでした。

配達を終えたマンション前で初めての報酬をスマートフォンで確認する男性配達員
数百円。時給で考えれば、効率がよかったとは言えない。

アプリを見ると、報酬が表示されていました。数百円。注文を待った時間もある。店まで移動し、受け取りにも緊張し、マンションの入口も探した。そこまでやって数百円でした。ただ、自分にはその数百円が特別に見えました。

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初めて会社の外で発生した売上だった

期間工の給料

決められた時間に出勤し、指示された仕事をすれば、給与が振り込まれる。それはありがたいことだった。

初日の数百円

誰かに採用されたから発生したわけではない。自分でアプリを起動し、自分で注文を受け、自分で最後まで届けた。

動かなければ0円。動けば、少額でも売上が発生する。その単純さが新鮮でした。それまでは、収入を増やしたければ残業するか、給料の高い会社へ移るしかないと思っていた。でも、自分の休みの日にもお金を生み出す方法がある。初日の数百円は、そのことを初めて実感させてくれました。

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売上より大きかったのは「自分でもできた」という感覚

一度配達を終えると、2件目への怖さは少し下がりました。店で何を見せればいいか、商品をどう受け取るか、配達完了までの流れも分かった。初日の1件目は、報酬以上に「一度やった」という経験が残りました。

副業では、この最初の1回を超えられるかどうかが大きい。始める前は失敗する理由がいくらでも見つかる。しかし1回終わらせると、分からなかったことの多くはただの手順になります。

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フードデリバリーは簡単に稼げる仕事ではなかった

最初の売上が発生したからといって、その後ずっと簡単に稼げたわけではありません。

その後に分かった現実

  • 注文が少ない日もあった
  • 店で待たされることもあった
  • 住所が分かりにくい配達先もあった
  • 雨の日、真夏、深夜に走ることもあった
  • 車両代、通信費、装備、飲食代もかかる
  • 注文がなければ、外にいても売上は0円

ネットでは「好きな時間に働ける」「すぐ稼げる」と書かれやすいけど、実際は待機も移動もあり、売上がそのまま利益になるわけでもない。それでも、働く時間を自分で選べることは、期間工をしながら続けるうえで大きかった。休日に数時間だけ走る、体調が悪ければ休む。会社のシフトとは別に、自分で動かせる収入源を持てました。

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初日の数百円から生活はすぐには変わらなかった

フードデリバリーを1日しただけで、人生が変わったわけではありません。借金がなくなったわけでも、工場を辞められるほど稼げたわけでもない。初日の報酬は、食事代で消えてしまう金額でした。

ただ、「会社以外からお金を受け取る」という経験は残りました。それまで副業は、知識や才能のある人がするものだと思っていた。売れる商品も、教えられる特技も、パソコンで稼ぐ方法も分からない。それでも、商品を店から注文者へ届ければ報酬が発生した。誰でも必ず稼げるとは思いません。地域や時間帯、車両によって条件も違う。しかし少なくとも自分にとっては、最初の1件が「何もない状態からでも始められる」と思えた瞬間でした。

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まとめ|初日の売上は小さくても、0円とは違った

初日で分かったこと

  1. 一番怖いのはアプリを起動するまで
  2. 一度届ければただの手順になる
  3. 時給で見れば効率は悪い
  4. それでも会社の外で初めて発生した売上だった

注文が鳴るまで待ち、慣れない店で商品を受け取り、知らないマンションを探した。それだけ動いて数百円でした。アプリを起動しなければ0円。注文を受けなければ0円。不安なままでも最初の1件を届けたことで、数百円が発生した。初日の売上で生活は変わらなかったけど、「自分でも会社以外でお金を作れるかもしれない」という感覚は残りました。

フードデリバリーを始めた日のことを思い出すと、報酬額よりも、最初の注文が鳴ったときの緊張のほうをよく覚えています。あの数百円は、金額以上に大きかった。