「アイシンは部品メーカーだから、完成車メーカーより楽そう」
自分も、そう考える人がいるのは分かる。
実際にアイシンの期間工として働き、自分が配属されたのは西尾ダイカスト工場だった。担当したのは鋳造工程。機械から出てくるアルミ製品のバリ取りをする期間工が多く、自分も同じ作業をしていた。
トヨタの組立のように車内へ入り込んだり、大きく姿勢を変えながら部品を付けたりする仕事とは違う。ただ、楽だったかというと別の話だ。
暑い。同じ動きを何時間も繰り返す。そして、自分がいた当時は残業もかなり多かった。
アイシンの仕事は、工場と工程で負担が変わる。この記事では、西尾ダイカストで実際に働いた経験を中心に、鋳造・バリ取りの仕事内容ときつかった部分をまとめる。
アイシンの仕事内容は配属される工場と工程で変わる
アイシンは、自動車そのものではなく、自動車に使われる部品を作るメーカーだ。
期間工が担当する仕事も一つではない。組付け、加工、検査、物流などがあり、扱う部品や設備も配属先で変わる。
そして、応募時に好きな工程を自由に選べるわけではない。
どの工場へ行くのか。どの工程へ入るのか。ここで仕事のきつさもかなり変わる。自分の場合は、西尾ダイカスト工場の鋳造工程だった。
西尾ダイカストでは鋳造のバリ取りをしていた
自分が働いていた当時、西尾ダイカストで期間工に多かったのが鋳造工程だった。
工場内には別の仕事もあるが、自分の周りでは機械から出てくるアルミ製品を処理する作業がかなり多かった。その一つがバリ取りだ。
「アイシン=小さな部品を組み立てる軽作業」のようなイメージだけで入ると、西尾ダイカストでは想像と違う可能性がある。少なくとも、自分が経験した仕事は座って小さな部品を組み立てるような作業ではなかった。
バリ取りはアルミ製品の余分な部分を取る仕事
鋳造では、アルミを型に入れて製品を作る。機械から出てきた製品には、そのままでは使えない余分な部分が残る。これがバリだ。
自分が担当したのは、このバリを取って製品を仕上げる作業だった。仕事の流れ自体は難しくない。

基本はこの繰り返しだ。何年も経験しないとできない職人仕事ではない。慣れてくれば、作業手順を考えなくても体が動くようになる。
バリ取りは手首・腕・肩へ負担がたまりやすい
1回の作業だけなら、それほどきつくない。問題は同じ動きを何時間も続けることだ。
同じ工具を持つ。同じ方向へ腕を動かす。同じ姿勢で製品を処理する。これを1日に何度も繰り返す。
完成車の組立は、しゃがむ、手を伸ばす、車内へ入るなど全身を使う工程がある。一方、自分が経験したバリ取りでは、手首や腕、肩など同じ場所へ負担が集まりやすかった。
工場仕事は「重い物を持つか」だけでは判断できない。軽い作業でも、同じ動きを何百回も続ければ体は痛くなる。期間工を何社も経験して、これはかなり感じた。
西尾ダイカストできつかったのは暑さ
西尾ダイカストは鋳造工場だ。自分がきつかったのは、作業そのものに加えて暑さだった。
設備が動き、アルミ製品を作っている場所なので、特に夏はかなり暑かった。「完成車メーカーじゃないから比較的楽だろう」と考えていると、ここでイメージが変わるかもしれない。
自分はトヨタなど完成車メーカーの期間工も経験している。
全身へ負担がくる
姿勢移動が多く、車内へ入って作業する工程もある。
暑さと反復作業が続く
同じ動きによる負担がじわじわ効いてくる。
どちらが楽というより、きつさの種類が違う。
自分がいた西尾ダイカストは残業がかなり多かった
もう一つ印象に残っているのが残業だ。自分が働いていた当時の西尾ダイカストは、かなり残業が多かった。これまで経験した期間工7社の中でも、多いほうだった。
残業が増えれば、当然帰る時間は遅くなる。暑い環境で反復作業をしたあとに残業が続けば、体の負担も増える。ただし、残業代も増える。
ここは人によって評価が分かれるところだ。できるだけ定時で帰りたい人にとって、残業の多さはデメリットになる。一方、半年ほど働いてできるだけ多くお金を残したい人なら、残業があることは収入面ではプラスになる。
期間工では、残業が少ないことが必ずしも全員にとってメリットになるわけではない。
「リーマンショックでも残業があった」と社員から聞いた
西尾ダイカストの仕事量について、今でも覚えている話がある。
旧アイシン精機時代からいる社員から「リーマンショックのときでも、ここは残業があった」と聞いた。
これはアイシンが公表している情報ではない。当時、自分が現場の社員から直接聞いた話だ。
リーマンショックでは自動車業界も大きな影響を受けた。その時期でも残業があったと聞き、「ここはかなり仕事量がある工場なんだな」と感じたのを覚えている。
現在も同じ残業量が続いているという意味ではない。残業や休日出勤は、生産状況や配属先で変わる。あくまで、自分が働いていた当時の西尾ダイカストは残業が多かったという経験談として見てほしい。
アイシンは完成車メーカーより楽とは限らない
「アイシンとトヨタなら、どちらが楽なのか」。応募前なら気になるところだ。
自分なら、会社名だけでは決められないと答える。アイシンには小さな部品を扱う工程もある。完成車工場の車体組立と比べれば、重量物や無理な姿勢が少ない工程へ入る可能性もある。
ただ、自分が配属された西尾ダイカストは鋳造だった。暑い。同じバリ取りを繰り返す。当時は残業も多かった。
アイシンなら楽と考えるより、完成車メーカーとは違う負担があるくらいで見ておいたほうがいい。
同じアイシンでも「楽だった」「きつかった」が分かれる
ネットでアイシンの体験談を探すと、「楽だった」という人もいれば「かなりきつかった」という人もいる。どちらも間違いとは限らない。配属が違えば、仕事内容が違うからだ。
自分も7社で期間工を経験したが、会社を選ぶだけで仕事のきつさを完全に避けることはできなかった。期間工には、どうしても配属の運がある。
求人を見るときは、「この会社は楽か」だけでなく、どんな工程があり、外れだと感じる工程へ入っても続けられそうかまで考えておきたい。
西尾ダイカストが向きやすい人
同じ作業を黙々と続けられる
決められた手順を黙々と続けるほうが楽な人に向きやすい。
暑さにある程度耐えられる
特に夏の鋳造工程で働くことを想定しておきたい。
残業して収入を増やしたい
残業代を収入面のメリットとして見られる人には合いやすい。
配属をある程度割り切れる
仕事内容を一つに決めつけず、配属された工程でやってみる考え方が必要だ。
西尾ダイカストを慎重に考えたい人
自分の経験から見ると、次に当てはまる人は鋳造工程への配属を考えて慎重に判断したい。
- 残業をできるだけ避けたい
- 同じ作業の繰り返しが苦手
- 手首、腕、肩などに不安がある
- 「アイシンなら軽作業」と考えている
特に、部品メーカーだから楽という理由だけでアイシンを選ばないほうがいい。アイシンの中でも、仕事は配属先で変わる。
アイシンは「楽か」ではなく、自分が耐えられるきつさで選ぶ
自分が西尾ダイカストで働いていた当時は、鋳造工程のバリ取りをする期間工が多かった。
実際に働いて感じた特徴は、この5つだ。
完成車メーカーの組立とは違う。だからといって、楽という意味でもない。
期間工を7社経験して感じるのは、一番楽そうな会社を探すより、自分が耐えられるきつさを選んだほうが失敗しにくいということだ。
全身を使う組立が嫌なのか。暑い職場が嫌なのか。残業が嫌なのか。同じ作業の繰り返しが嫌なのか。人によって避けたいものは違う。
自分がいた西尾ダイカストのように残業が多い職場なら、短期間で収入を増やしたい人にはメリットになる。逆に、暑さや残業を避けたい人には合わない可能性がある。
祝い金や月収例だけで決めず、半年その仕事を続けられそうか。アイシン期間工へ応募するなら、そこまで含めて判断したい。
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