「期間工は稼げる。でも体力に自信がない」

求人を見ながら、そこで手が止まる人は多いと思う。

自分も期間工へ応募する前は、体力より金のことばかり考えていた。

寮費無料。高い時給。満了金。入社特典。

数字だけを見ると魅力的だったが、実際に働き始めると、給料以上に重要だったのが配属先と作業内容だった。

同じ会社の期間工でも、重い部品を扱う工程もあれば、小さな部品を延々と組み付ける工程もある。

「軽い部品だから楽」とも限らない。

部品は軽くても、数秒ごとに同じ動きを繰り返し、肩や手首が痛くなる仕事もある。

逆に、多少重い部品を扱っても、作業の間隔に余裕があり、体への負担がそれほど大きくない工程もある。

つまり、求人票に「未経験歓迎」「軽作業」と書かれているだけでは、体力的に続けられる仕事かどうかは分からない。

この記事では、体力に自信がない人が期間工や工場求人を見るとき、最低限確認しておきたい7つの場所を紹介する。

1.仕事内容が具体的に書かれているか

最初に見るべきなのは、当然ながら仕事内容だ。

ただし、「自動車製造に関する各種作業」だけで終わっている求人は注意したほうがいい。

この書き方では、何をするのかほとんど分からない。

自動車工場の仕事には、主に次のような工程がある。

  • 車体の組立
  • 部品の組付け
  • プレス
  • 溶接
  • 塗装
  • 鋳造
  • 加工
  • 検査
  • 部品供給
  • 運搬

同じ工場でも、工程によって体への負担はかなり違う。

特に組立は、決められた時間内に部品を取り付け続ける仕事が多い。

しゃがむ、腕を上げる、体をひねるといった動作を繰り返す工程では、部品が軽くても肩や腰に負担がかかる。

一方で検査や機械加工は、重量物が少ない場合もある。

ただし、検査は立ちっぱなしになることがあるし、機械加工でも部品の出し入れを繰り返すことがある。

「検査だから楽」「組立だから絶対に無理」と決めつけるのではなく、求人票に具体的な作業内容がどこまで書かれているかを見ることが大切だ。

2.「軽作業」の中身を確認する

求人票で最も油断しやすい言葉が「軽作業」だ。

人間は「軽」と書いてあると、なぜか体も軽く働けると思ってしまう。求人広告としては便利な二文字である。

しかし、軽作業には明確な統一基準があるわけではない。

小さな部品を扱う仕事でも、1日中同じ動作を繰り返せば手首、指、肩に負担がかかる。

軽い電子部品を繰り返し組み付ける作業と、重い部品を低頻度で移動する作業の比較

ラインの速度が速ければ、作業に追われ続けることもある。

また、重量物を持たなくても、次のような仕事は体力を使う。

  • 長時間の立ち作業
  • 工場内を歩き回る部品供給
  • 中腰姿勢での組付け
  • 腕を上げ続ける作業
  • 細かい部品を素早く扱う作業
  • 暑い場所での作業

「軽作業」と書かれていたら安心するのではなく、何が軽いのかを見る。

部品が軽いのか。

作業速度が遅いのか。

重量物がないのか。

座り作業があるのか。

この部分が曖昧な求人は、応募前に必ず質問したほうがいい。

3.重量物の重さと持つ回数を見る

求人票に重量物の記載がある場合は、重さだけでなく回数も確認したい。

例えば、15キロの部品を1日に数回持つ仕事と、5キロの部品を数百回持つ仕事では、後者のほうがきつい場合もある。

見るべきなのは次の3点だ。

  • 最大で何キロ程度か
  • 1日に何回程度持つのか
  • どの高さからどの高さへ動かすのか

同じ10キロでも、腰の高さで持つのと、床から持ち上げるのでは負担が違う。

同じ重さの箱を腰の高さ、床、肩より上で扱う工場作業の負担比較

胸より上へ持ち上げる作業なら、肩にも負担がかかる。

ただ、期間工求人では、重量や回数まで書かれていないことが多い。

その場合は、面接や派遣会社との面談で次のように聞けばいい。

「重量物は最大で何キロ程度ですか」

「重量物を持つ回数は多いですか」

「中腰や腕を上げる作業はありますか」

ここを聞いて嫌な顔をする担当者なら、その時点で少し警戒したほうがいい。

応募者が体への負担を確認するのは、わがままではない。

入社後すぐ辞められるより、企業側にとっても事前に確認したほうがマシなはずだ。

4.勤務時間と交替勤務の種類を見る

体力に自信がない人は、仕事内容だけでなく勤務時間も見たほうがいい。

日勤では問題なく働けても、夜勤が入ると一気に体調を崩す人がいる。

特に確認したいのは、次の項目だ。

  • 日勤のみか
  • 2交替か
  • 3交替か
  • 夜勤は何時から何時までか
  • 交替の切り替えは何日単位か
  • 休日出勤があるか

求人票に「交替勤務あり」としか書かれていない場合は、実際の勤務時間を確認する。

16時から翌1時までの夜勤と、20時から翌朝7時までの夜勤では、生活リズムも疲れ方も違う。

自分の場合、夜勤では仕事そのものより、睡眠が乱れることのほうがきつかった。

勤務中は動けても、帰ってから眠れない。

寝ても途中で起きる。

次の出勤まで疲れが残る。

この状態が続くと、筋力より先に生活そのものが崩れていく。

日勤週から夜勤週へ起床・勤務・食事・睡眠時間を切り替える期間工の生活

「体力がない」と思っている人でも、実際には夜勤への耐性が低いだけかもしれない。

反対に、体を動かす仕事は平気でも、昼夜逆転が苦手な人もいる。

日勤求人を選べるなら、給料が少し低くても長く続けられる可能性は高くなる。

5.残業時間と休日出勤を見る

求人票の月収例には、残業代や深夜手当、休日出勤手当が含まれていることが多い。

月収が高く見える求人ほど、内訳を確認したほうがいい。

例えば、月収35万円と書かれていても、毎月30時間以上の残業と休日出勤を前提にしている場合がある。

基本給だけで35万円もらえるわけではない。

体力に不安があるなら、確認するべきなのは最高月収ではなく、通常月の働き方だ。

  • 残業は月平均何時間か
  • 繁忙期は何時間程度になるか
  • 休日出勤は月何回あるか
  • 残業を断れる環境か
  • 定時退社の日があるか

残業が多い職場では、仕事中だけでなく、帰宅後の回復時間も削られる。

8時間なら何とか耐えられる工程でも、毎日1時間半の残業が加わると話が変わる。

特に交替勤務と残業が重なると、睡眠時間の確保が難しくなる。

満了金や入社祝い金も大切だが、数か月で体を壊して辞めれば、結局受け取れないこともある。

6.配属先を選べるか確認する

体力に自信がない人にとって、かなり重要なのが配属先を選べるかどうかだ。

求人票に次のような記載がある場合は注意したい。

  • 配属先は会社が決定
  • 適性を見て配属
  • 製造に関する各種業務
  • 業務内容は変更になる場合あり

「適性を見て配属」と書かれていても、必ず本人の希望が通るわけではない。

健康状態や経験を考慮してくれる場合もあるが、単純に人手が足りない工程へ回される可能性もある。

特に完成車メーカーの期間工は、入社時点で細かい配属が分からない求人が多い。

体力面のリスクを下げたいなら、勤務先や工程を選びやすい部品メーカーや派遣求人も候補になる。

部品メーカーには、小型部品や電子部品を扱う工場もある。

ただし、「部品メーカーだから楽」とは限らない。

細かい作業や速いラインがきついこともある。

重要なのは、会社名だけで決めず、工程や勤務条件が具体的に分かる求人を選ぶことだ。

7.寮から工場までの通勤時間を見る

求人票を見るとき、作業内容ばかりに目が行くが、通勤時間も体力に影響する。

寮費無料でも、寮から工場まで片道40分かかれば、往復で80分になる。

さらにバスの出発時間が早ければ、始業のかなり前に寮を出なければならない。

夜勤明けにバスを待つ時間も地味にきつい。

求人票や採用ページで次を確認したい。

  • 寮から工場までの距離
  • 徒歩、自転車、送迎バスのどれか
  • 送迎バスの所要時間
  • バスの待ち時間
  • 寮を選べるか
  • 自家用車で通勤できるか

仕事が終わった瞬間に休めるわけではない。

更衣室へ移動して着替え、バスを待ち、寮まで戻る。

そこから風呂や食事を済ませて、ようやく寝られる。

求人票上では同じ8時間勤務でも、通勤を含めれば拘束時間は大きく変わる。

体力に不安がある人ほど、職場まで近い求人を優先したほうがいい。

求人票だけで判断できない場合に聞くこと

工場求人票の周囲に重量物・作業姿勢・交替勤務・残業・配属・寮と送迎を配置したチェックリスト

求人票を読んでも分からない場合は、応募前や面接時に質問する。

最低限、次の5つは聞いておきたい。

  1. 重量物は最大何キロ程度か
  2. 中腰や腕を上げる作業は多いか
  3. 1日の歩数や移動量は多いか
  4. 残業と休日出勤は月平均どれくらいか
  5. 配属工程の希望は伝えられるか

「受かりたいから質問しない」という人もいる。

しかし、何も確認せず入社し、想像以上にきつくて数週間で辞めれば、本人も会社も損をする。

採用担当者の答えが曖昧なら、それも判断材料になる。

「配属されるまで分かりません」と言われた場合は、そのリスクを受け入れられるか考える。

入社特典が高くても、工程を選べない求人は配属ガチャの要素が強い。

「未経験歓迎」は体力不要という意味ではない

求人票の「未経験歓迎」は、仕事が簡単、あるいは体力がいらないという意味ではない。

経験がなくても、入社後に作業を覚えられるという意味だ。

期間工や工場勤務では、特別な資格がなくても始められる仕事が多い。

その代わり、決められた作業を毎日続ける力が求められる。

最初の1週間は筋肉痛になることもある。

手や指が痛くなることもある。

慣れるまで足がパンパンになる工程もある。

ただし、最初から体力に自信満々だった人だけが続くわけではない。

仕事を始めてから体が慣れていく人も多い。

大切なのは、「体力がないから無理」と応募前に諦めることではない。

自分が苦手な負担を把握し、それを避けやすい求人を選ぶことだ。

重い物が苦手なのか。

立ちっぱなしが苦手なのか。

夜勤が苦手なのか。

同じ動作の繰り返しが苦手なのか。

腰、肩、膝に不安があるのか。

苦手なものが分かれば、見るべき求人も変わってくる。

体力に自信がない人ほど求人を比較したほうがいい

期間工求人は、給料や入社特典だけを見ると似ている。

しかし、実際の働きやすさは同じではない。

体力に自信がない人は、次の順番で求人を比較すると判断しやすい。

  1. 仕事内容と工程
  2. 重量物と作業姿勢
  3. 勤務時間と夜勤
  4. 残業と休日出勤
  5. 配属先を選べるか
  6. 寮から工場までの距離
  7. 給料と入社特典
給料や入社特典だけで期間工求人を選ぶ場合と、仕事内容・勤務時間・寮の距離まで確認して選ぶ場合の比較

給料は大切だ。

自分も借金を返すために期間工を選んだので、収入を無視しろとは思わない。

ただ、求人票で一番大きく書かれた金額だけを見て応募すると、働き始めてから後悔する。

月収が数万円高くても、体が持たずに途中退職すれば意味がない。

反対に、給料が少し低くても、無理なく満了まで働ければ、結果的に多くのお金を残せることもある。

求人票を見るときは、「一番稼げる会社」だけではなく、「自分が一番続けやすい会社」を探したほうがいい。

体力に自信がなくても、求人の見方を変えれば、働ける可能性はある。

問題は体力があるかないかだけではない。

仕事内容が分からないまま、条件の良さだけで応募してしまうことだ。